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11/18 The CAMPusイベント「ほんとうにおいしいって何?」最速レポート

TheCAMPus

ゆかたん(@AgriBloger)です。

インターネット上の農学校The CAMPusというサイトのオープンキャンパス(イベント)に行ってきました。

札幌で開催とのことで、北海道の農家さんを2名お呼びしてのトークセッションです。

テーマは「ほんとうにおいしいって何?」ですが、おふたりの経営やこれまでの道のりもお聞きすることができました。

イベントレポート最速で更新します!

CAMPus
【お知らせ】TheCAMPusのオープンキャンパスに参加してくるよどもゆかたん(@AgriBloger)です! 今度こんなイベントがあって参加してきます〜。 The CAMPusさん...

 

ゲスト農家さん2名はこちら!

今回のゲストは十勝でしんむら牧場を経営している新村浩隆さんと長沼町でアスパラ農家をしている押谷ファーム押谷行彦さんです。

しんむら牧場さんの概要

しんむら牧場

数少ない「放牧」で酪農をする牧場しんむら牧場を経営。

売り上げ2億円、100ヘクタールの経営面積をもつ。

 

最初は酪農自体はやりたくなかった。なぜなら農業は『汚い、キツイ、ダサい』などイメージがよくなかったから。

それなら、自分が自信を持てるようなカッコイイ職業に変えていきたいと思い跡を継いだ。

 

父の代は牛舎で管理していたが、自分の代では放牧することにした。

それは牛も幸せに、食べる人も幸せにしたいという想いがあったから。

 

酪農は放牧のイメージが強いかもしれないが、放牧酪農を行なっている農家は北海道の7、8%しかない。

極力補助金に頼らず、価格決定権を自分でもつことを大事にしている。

しんむら牧場のHPはこちら

 

押谷ファームさんの概要

THECAMPus左が押谷さん

アスパラの贈答用やレストランにおろし、独自の流通経路で販売している専業アスパラ農家。アスパラはリピーターがあとをたたないおいしさが人気。

 

阪神淡路大震災に被災してスーパーで働いていたが物流が止まれば食べ物はなく、お金がなんの役にも立たないことに気づき、自分で食料を生産したいと思うようになった

単身、車一台で神戸から来て北海道に新規就農したとのこと!

 

アスパラの専業農家で耕作面積は4ヘクタールくらい。

アスパラ以外では「ふわふわかき氷店」という野菜そのものを削ってできたかき氷を作っている。6〜9月で営業。

夢のある農業をしたい。アスパラ以外は庭づくりをしている。東京ディズニーランドの造園を担当している先生と一緒にテーマパークになるようなガーデンを作っている。

 

くらしごとというサイトに取材記事があります。

 

トークセッションの内容

進行はキャンパスの学長さんです。

THECAMPus左から押谷さん、新村さん、キャンパス校長

新規就農何から始めた?

押谷さん:自分の時代は新規就農者の受け入れシステムすらなく、どこにいったらいいかわからなかった。農協や役場をたらい回しにされて遊びでやるのではないとキレた。笑

 

長沼で2年研修していたが土地がなく、実家に戻っていた。それから土地は見つかったが、そこは荒れ地で誰も買わないような土地だった

15年耕作放棄地で草だらけ、杉の木が生えているような場所を何年も土づくりしながら農業をして今に至る。

 

新村さん:新規就農ではないが、放牧は新たにはじめた事業なので牛が食べてもらえるような牧草地を作るための土作りからはじめた。土地によるが牧草地づくりは3年くらいはかかった。

 

押谷さんは経営が成り立つまでどうしてた?

押谷さん:初年度の売り上げが180万円だった。土地や返済もあるのでほとんど残らなかった。

奥さんと2人で3、4年やったがいつ倒産してもおかしくない状況が続いていた。

農業の知識は全くなく、ほうれん草はタネをまいたらできるものだと思っていたから、土作りもやりながらちゃんとほうれん草自体ができるのに4年かかったし。

 

食べていける収入になったのは10年くらい。食べていける兆しが見えたのは6年たってから。

それでもマイナス要因を探り、それを改善することを繰り返しずっとやってきた。

 

押谷さんは売ることの工夫は同時でやっていた?

土地は2.7ヘクタール最初に手に入れた。今6ヘクタールの経営面積でほとんど自分の手で販売している。

自分は新規就農者で、既存の農家と同じ品質の作物を作ることができなかった。市場だと買い叩かれてしまうので、自分で売るしかなかった

アスパラは口コミで最初の5人くらいから広まっていた。

 

価格決定権を自分でもつことが大事だと言っていたが、父の代はどうだった?

新村さん:父の代では出荷先はすべて農協だった。農協はすべて受け入れしてくれるので、売る努力はしなくてよかった。

農協出荷だと原価をどれだけかけても乳価は決まっているからたくさん作ることに意識が向く。

 

だからこだわった牛乳を作るなら、自分で価格を決めれるようにならなくてはいけない。

値段が低いなどを農協のせいにするのはかっこよくないから、自分でかっこいいって思えるような農業をやろう、憧れるような農業をやろうと思った。

校長
校長
日本では自分の家業を自信を持って言えない人が多いのが現状ですもんね。海外では農家であることに誇りを持っているひとが多いんですが。

 

しんむら牧場のミルクジャムはどうやって生まれた?

THECAMPusしんむら牧場で超人気のミルクジャム

どうやって自分の牛乳をアピールできるかを考えていた。ソフトクリームやヨーグルトはよくある手法だけども。

知り合いに牛乳と砂糖を煮詰めたジャムがあると紹介されて、試しに家で作ってみてから2年で商品化した。

日本全国のみならず、海外でも販売されている人気商品になった。

誰もやっていなかったからよかった。自分で値段が決められるのは大きかったかな。1年目で加工の売り上げが1300万もいったので自信がつきました。

 

校長
校長
ちなみに牛乳はおいくらで販売しているんですか?
新村さん
新村さん
北海道では350円で買えるが、六本木では550円。

 

質問タイム!

THECAMPus

参加者とお二人の質疑応答タイムです。

農協とのあつれきはなかった?

新村さん
新村さん
なかった。まちむら農場という先駆者がいたし。農協とはうまくやっています。無駄な敵はうまないようにしてるので。

 

就農してからの資金はどうしてた?

押谷さん
押谷さん
北海道から借り入れるお金があった。貯金と食いつぶして、冬はアルバイトをしていた。アルバイトの方が給料良かった。
新村さん
新村さん
そのモチベーションはどこから湧いてくるの?
押谷さん
押谷さん
自分は前例がなかったからとにかく批判されたんですよね。だから前例を作ってやろうと思った。1日20時間働いて、見返してやろうと思ったからがんばれた。

 

本州では土地は親族に渡されやすく、余っている作りにくい土地が新規就農者に渡されることが多いが北海道はどうか?

押谷さん
押谷さん
どうだろう。自分が参入した時代はそうだったけど、今は農家が減っているからさすがに少なくなってきた。今がチャンスでは。

 

農業する人が減っているいちばんの理由はなんだと思う?

新村さん
新村さん
魅力的ではないのでは。仕事に対して見合った所得がないだとか、バランスがうまく取れてないんだろうと思う。

 

アスパラの贈答品をやったきっかけ?口コミが広まった速度は?

押谷さん
押谷さん
農業をはじめた時に戦略を練った。自分は大量生産はできないし、既存の農家と同じクオリティでは作れない。
自分で販売するとしたら送料で配送負けしないもの、小さくて単価があるもの、人にあげるもので価格がある程度高いもの、を考えた時にイチゴとアスパラしかなかった。

野菜を大量生産することはできないが、売る場所で勝負すれば勝てると思った。

 

今、新規就農するならお二人ならどういう戦略でやるか?

THECAMPus
押谷さん
押谷さん
間違いなくJA出荷する。今は農業人口が減っているから価格が暴落しないし。なんでも自分でやってたから自分は苦労した。

まずは食べれないとダメだから。食べれるようになってから好きなことやったらいい。

目標値は決めるべきだが、やるべきことは最初にやる。
自分の場合はアスパラがとれるまではトマトを作っていた。(やりたくなかったが)お金を稼ぐためにやるしかなかった。

新村さん
新村さん
初期投資をどれくらい下げれるかが大事かと。自分が酪農をやるなら、最初は3〜5頭飼って、夫婦の片方がふつうに仕事をするなどして生活の基盤を作りながら農業をやる。逃げ道をつくっておくといい。

365日24時間つらい思いをしながら働いてもいいことないし、身体を壊しますから。

 

先日の北海道胆振東部地震の時にわかった課題

新村さん
新村さん
電力も自分で生産すること。牛乳は10時間後には自家発電でできた。よつば乳業に出荷しているが、よつばの工場は動いていたし牛乳は一滴も捨てることはなかった。
押谷さん
押谷さん
パソコンが使えないので流通はできなかった。とうもろこしはダメになった。発電機があったので、かき氷は大丈夫だった。

 

日本の人口が減少して、農業も外国人労働者に頼る時代が来るなら?

新村さん
新村さん
外国人は研修生として来るから3年しかいれない。そうすると短期労働者になる。うちの労働形態では合わないので、永続的に働けるような仕組みがなければ受け入れられない。
押谷さん
押谷さん
自分も考えていない。なぜ日本の若者が農業の世界から逃げていくのか?それは、ちゃんとした環境・賃金がないからではないだろうか?
それで足りない労働量を外国人に求めても同じ結果になる。

自立した経営にするのが先決だと思う。自分の農園で働きたいと思ってくれるような経営をしていれば自然と労働力が集まってくる。

 

農業×ITについてはどう考えているか

新村さん
新村さん
自分もいくつか導入している。どういう目的でいれるのか。頭数が増えてくると人間が管理できないので。ITを導入してできた時間をどのように使えるのかを考えるべき。

目的が大事で、補助金がもらえるからやるっていうのは目的ではない。

押谷さん
押谷さん
単純作業にしか使えないのでは。全部AIに任せると個人の作物のブランド的な価値の差がなくなるから。

 

ほんとうにおいしいって何?

新村さん
新村さん
純粋に舌でおいしいって感じること。人と人との摩擦で商品ができるから、この人が作っているから食べたいと思ってもらえるようなマーケットを作りたい。最終的にひとだと思う。

このひとが作ったから食べたい、と信じれる環境を作る。

押谷さん
押谷さん
しんむらさんと同じでひとと繋がりたいですね。

 

有名農家さんおふたりによるトークセッションでしたが、個人的にも勉強になりました。

農業を魅力ある職業に変えたい、という想いがすごく伝わったしわたしもそう思います。

農家自身に自分の職業に誇りを持っていないひとも多いですし、当事者がそうだったら周りの意識も変わることはむずかしいですよね。

 

情熱を持ってお仕事をされていることがわかりましたねえ。お二人のように独自販路を見つけている農家さんのお話ってあまり聞く機会がなかったのでよかったな。

 

おまけ

最後に懇親会用にむかわ町の長芋やジュースがふるまわれました〜食べてへんけど〜。

しんむら牧場さんはミルクジャムが超人気商品なのでご興味ある方はネットからご注文を!

 

インターネット上の農学校The CAMPusは学費500円、授業料500円を支払うと日本全国の農家さんのインタビューが見れますよ!

農業に興味のある方は一度覗いてみることをオススメします。

したっけね!

The CAMPus 公式サイトはこちら

ABOUT ME
ゆかたん
ゆかたん
ゆかたん農学校学長。シティ系農業ガールブロガー。 大学と農協でつちかった経験と知識を武器に、農業知識をやさしくアツく語ります。 北海道から産地直送でお届け中です。