どうも元JA職員ゆかたん(@AgriBloger)です。
地方に行けばかならずあるであろう「農業協同組合」。略して「農協」。英語にすると「JA」。
「農協職員ってなにしてんの?」と思っているひとも多いでしょう!
地方ではね、農協につとめるということは銀行につとめることと同じくらい「将来安泰だね〜」と言われることも多いです。
いまどきでも地方ではそういう風に思われることが多いんですよ。
そんな場所でゆかたんは「営農担当(えいのう)」としてはたらいてました。
「なにそれ?」と気になる方が(たぶん)いると思うんで、今回はおしごと内容をさっくり紹介しようと思います!
※農協はくくれば同じ組織なんですが、事業内容はそれぞれの農協ごとで異なります。あくまで、ひとつの例としてとらえてください。
今日のコンテンツ
農協のおしごとを部門別にわけるとこうなる
まずJAがざっくりどんなことやってるのかという説明をかるーくしますと、
金融→よくきく「JAバンク」ってやつ。銀行と同じ。
販売→農家さんが出荷した作物を販売する。販売手数料がJAの利益。
資材→農作業でつかう資材を販売する。種や肥料、農薬など資材全般をとりあつかう。
管理→いっぱん的な会社とおなじで、人事とかJA内の管理業務。
営農→農家によりそい、指導や相談を受けもつ。「営農指導」ともいう。地域のお祭りや葬祭の手伝いなんかもする。農家とのやりとりがいちばん多い部署。この部署がないJAもある。
なんでもやってますよね。JAがあればわりと完結しちゃうんですよね。
で、ゆかたんは「営農部署」に配属されました。
JAグループにしかない資格ですが「営農指導員」や「経営診断士」という資格もとれます。
営農担当は「農家の現場の最前線」です!
「おいおいゆかたん、そんなとこいって大丈夫か!?」って思ったかもしれないけど、全然大丈夫じゃないから安心してくれ。
営農担当職員のおしごとはこんな感じ
ぶっちゃけなんでもやります!よろず屋ゆかちゃんだよまじで・・・
大まかにですが7つにわけてみました。たんたんと説明していきますよ▼
①農作業の進ちょく確認
どれくらい農作業がすすんでるか地域全体を確認します。
作業は遅れてないか、トラブルや今年の作物の状況はどうかなどですね。農家さんと畑で立ち話したり、見まわったりしてました。
②農家との会議

農家が運営する「生産組合」っていうのがあって、その会議の準備などをしています。
生産組合っていうのは、「〇〇生産組合」てな感じで作物ごとにわかれてるんですよ。「にんじん生産組合」とか「玉ねぎ生産組合」とかね!
その作物をつくってる農家の中で代表者を何人か集めて運営してるんです。
販売した値段の確認や出荷するときのルールを決めるなど重要な会議が多いですね。
勉強会をひらくこともあるし、道外へ出張にでることもあります。勉強会の準備や出張の段取りはJA職員のしごとですね!引率もね!(疲)
③土壌分析の推進
土の栄養素がどれくらいあるかを調べるのが「土壌分析」です。
なんの栄養が足りないのか、はたまた肥料のやりすぎなのか数字でだすことができます。
まだ分析自体があまり浸透してないので、農家さんに「やってみませんかー?」って推進にまわってました。
分析データがでたあとは、JA職員がどう改善したらいいかフィードバックしてます。
④農家さんの相談・指導
さっき言ったように農家さんのところへ巡回することが多いので、会話のなかで質問・相談されたことに答えることもします。指導員ぽいね。
知識があるほどよろこばれますが、農家がわからないことがJA職員にわかることも少ないので、持ちかえって調べたり研究機関や指導機関に相談することも多いですね。
⑤農家の経営指導・農作業計画作成
お財布事情がちょっと大変そうな農家さんのサポートをさりげなくします。
あとは、翌年の収支計画をいっしょにたてることもしますね。どれくらい支出があって、収入はどれくらい見込めるか数字をだしていくんです。
⑥試験依頼
研究所などから農協あてに試験を依頼されるので、試験をしてくれる農家さんを見つけることもわたしたちのしごとです・・・
内容としてはあたらしい農薬や肥料、新品種の栽培などですね。
研究所の中ではうまくいくけど、農家の畑ではうまくいかないなんてことはよくあります。
あたらしい農薬や品種というのは、農家の畑でちゃんと結果がでてからでないと世に出ることはないんですよね。あたりまえだけど。
研究所やメーカーと農家の仲介って感じです。
⑦その他
まああとは柔軟に対応してます。
お葬式や地域のお祭りのお手伝いもありますね。
国や町からでる補助金の申請などの大事な手続きもJA経由だし。
農家さんと仲良くなったらふつうに世間ばなししたり飲みに行ったりとかもしてました!
もうね、なんでもやるんですよ!
営農担当になってよかったこと

やさいを大量にもらえるのが唯一の特権。(そこ)
肉牛農家さんからお肉もらったときはさすがに感動した。(しかもかたまり)
現場に近いから農家さんにいろいろ言われることも多いけど、勉強になることが多くてたのしいですね。
農家さんと知り合えるのもいいところ。
試験の手伝いなどでたまに農作業することもあります。夏や秋は半分農家みたいな日もありますね。
あと、めちゃくちゃオフロードの運転がうまくなったなw
営農担当職員ここがツライ
そもそも知識と経験がものをいう世界。
年数をこなさないとレベルアップできないし、農家と同じレベルの会話をすることがむずかしい。
経験年数のあさい職員はたいへんかも。わたしのように・・・
ほかにはJAと農家との間にはさまれて立場が苦しいことも数知れず。農家の顔となまえと畑の場所を覚えるのも最初は大変ですね!
「営農部署」はまだまだこれから!
比較的あたらしい部署ではあるし、まだまだ課題もあります。
営農担当はどこのJAにもいるわけではないんです。
この部署があれば農家との連絡も密にとれるし、これからもっと農家の役にたてると信じています。
営農担当職員は、農家さんの役に立てることがいちばんうれしいんです。
それに、農家全体の経営状況を底上げする(経営の悪いひとをなくす)ことが最大の使命ですからね。
もうJA職員ではないけれど、営農担当職員はこれからも応援しています。
もし農業の現場ではたらきたいひとのお役にたてれば幸いです。
したっけね!
https://www.yucataan.com/2018/05/03/2018-05-03-210000/