元農協職員のゆかたん(@AgriBloger)です。
何かと批判されることが多い「農業協同組合」という組織ですが、農協はいまも農家にとっては必要不可欠な組織なのは間違いありません。
わたしは2年農協に勤めていました。
就活していたは農協という組織はよく知らなかったし、世間に流されてあまりいい印象がなかったんです。
でも、農家の現場に近いとこはやはり農協だろうと思って半分ノリで就職することになりました。
いろいろあって辞めちゃったんですけど、でも働いてよかったと思えたことを今日はまとめました。
組織的な観点ではなく、「農業」というものに対しての観点です。
農協で働いてよかった3つのこと
❶農家さんまじリスペクト
いちばんはやっぱりコレです。農家ってすげえ〜っていう。
現場にいちばん近いところで見ていて、自然を相手にする仕事の大変さが分かりました。
雨が降らない、雨がやまない、台風がくる、病気が流行る、など自分たちではどうすることもできないことと常に闘ってるんですよね。
明日台風がきて何百万の損失が生まれるかもしれない。
天気が直接利益に関わってくるんだから、心配でしょうがないですよ。
それでも天気予報を常に見て計画を練り、夜通しだろうと仕事は終わらせる。
秋の収穫期はきっと想像を超える忙しさなんだろうけど、毎日休みなく働いてるのを見てると「わたしにゃムリだ・・・」って思いましたね。
その体力どこから湧いてくんのってくらい農家は働いてるんですよ。
種のまき方から農薬や肥料の選び方、管理の仕方に至るまで、本当に研究されてるんですよね。勉強会を開くこともあるし。
作物の多くは1年に1回しか作付けできないから、試してみようと思っても1回限り。
うまくいかなかったらまた来年、なんてリスキーじゃないですか。
そうやってできた農作物をわたし達は日々食べさせてもらってることにありがたみを感じます。
ほんとプロフェッショナルやで・・・
❷食べ物へのありがたみが湧いた
食べることは生きること、じゃないですか。
農業がなかったら、畜産業がなかったら、漁業がなかったら、林業がなかったら・・第1時産業がなければ生きていけないんですよ、わたしたちは。
どうあがいても食べることだけはやめることができないですよね。
だから自然や生き物を相手にして仕事をする第1時産業のひとたちへのありがたみといったらないですよ・・・
第1次産業の就業者も全体的に高齢化が進んで、人口も減ってる。担い手の問題もある。
自分には関係ないことはないんですよね。
スーパーに品物が並ぶことがあたりまえになってるけど、そうではないってことを目の当たりにしました。
そのおかげか好き嫌いがなくなりましたね。
おすそ分けでもらった新鮮な野菜や、自宅で食べさせてもらったご飯をモリモリ食べてたら苦手な野菜も食べれるようになりました!
鮮度って大事ってことに気づいたんですよ・・・
高級レストランにはない美味しさの価値があるんよね・・・
パセリも食べれるようになったお話はこちら▼

❸農業は知れば知るほどおもしろい
最後はこれです。
農業は知れば知るほどおもしろいに尽きる。
種をつくるひと、肥料や農薬をつくるひと、それらを販売するひと、農作物をつくるひと、農業機械をつくるひと、できた農産物を販売するひと、それを運ぶひと、お店に並べるひと。それを買うひと。
農業を研究するひと、農家のサポートをするひと。
種ができる前から食卓に上がるまでいろんな人間が関わってるんですよね。
そしてどこを切り取っても奥が深くて、とても精通することなんてできないことに気づきました。
知らないことがたくさんあるから、知れば知るほど食へのありがたみは尽きないし、おもしろい分野だな〜とつくづく思います。
机で勉強したり研究することも好きだけど、やっぱり農業は現場にいてこそだなあと農協で働いて思いました。
大学はほとんど座学でしたからね。
自然相手だから理論が通用しないことが多いんです。
でも研究者からしたらあたりまえのことでも、現場の人間は知らないなんてこともあります。
そのバランスも面白いんですけど。
農業は汚い・キツいっていうイメージが世間的には強いかもしれないですけど。実際どうだし。
でも誇りを持てるステキな職業だなとわたしは思ってますよ。
わたしが農協でやっていた仕事はこちらにまとめています▼

こちらの記事もどうぞ。(北海道の)農協といえばクミカン。わかりやすく解説しました。
