農業

植物も病気になる?いまさら聞けない農薬と病気の関係

どーも農業女子ブロガーゆかたん(@AgriBloger)です。

 

「みなさん、植物も“カゼ”を引きます。」

という大学教授のはなしを聞いたのが数年前。

 

わたしは恥ずかしながら、植物も病気になるってことを大学生になるまで知りませんでした・・・

 

よくよく考えたらあたりまえだよなーって気はするけども・・・

自慢じゃないけど、今まで考えたことすらなかったんだよね!一度もwww

 

植物が病気になるということは農業にも関係大アリなんですよね。

農業ではなんのために薬をまくのか考えたことがありますか?

 

いまさら聞けない植物の病気と農薬の関係を覚えましょう!

 

病気になるのは植物も人間もおなじ

わたしたちが病気になるときはウイルスや細菌に感染することが原因ですよね?

植物も同じようにウイルスや菌に感染するんです!

 

病気の原因であるご三家とは

カビ(菌類)・細菌・ウイルス です!!!

この3種類って生物学的にはまったく違う生き物だということも覚えておきましょう。

 

ちなみに大きい順に並んでいます。カビ>細菌>ウイルス

 

では病気になったら植物はどうなるんでしょうか?植物は人間のように言葉を発したりしませんよね。

植物の場合は、からだにバッチリ症状が出るんです!

 

植物の病気の症状

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植物は病気になると葉に点々がついたり(斑点)しおれたり(枯ちょう)葉にモザイク症状が出るなど症状はさまざまなんです。

 

感染源がカビか細菌かウイルスかによっても症状は違います。

そしてひとつひとつ病名もついているんです。うどんこ病、黒星病、サビ病、いもち病とかね!

 

道端に生えている草木もよくよく見たら病気にかかっている、なんてことは普通に起こっているんですよ!

 

ただ枯れている植物にも必ず原因がある!!!

いや、ただ枯れてる場合もあるけど!!その判断がムズかしいんだけど!!

 

写真はすべてわたしが撮影した病害コレクションです。農作物じゃないんだけど、一例をご覧ください! (どんなコレクター)

 

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植物は病気を治すことはできない

人間はカゼを引けばくすりを飲む、または安静にすることによって治すことができますよね!

 

しかし植物は、ひとたび病気にかかってしまうと治すことができません!ムリっ!

 

病気によって植物の細胞が死んでしまった部分はそのままなんですよ。

病気になったらかかりっぱなしです、残念ながら。

 

ただ、食い止めることはできます。(場合によるけど)

 

植物の世界とくに農業では病気になることはいちばん避けたいんです。

 

病気になって枯れてしまえば成長がとまります。そうすると大きくならずに収穫することができない場合もあるんです。

おなじ作物を近くにたくさん植えるのが農業なので、そうすると病気の感染スピードがよりはやくなることがあります。

 

だから、予防が大事!!!ここで農薬の出番なのだ!!!

 

農薬は植物の予防接種

農薬は病気になってからまくものだと思っていた方もいるかもしれませんね。

 

さっき説明したとおり、病気になってから治すことはできないので治療薬は存在しません!植物の特性としてかけてもムダなんですよね。

だから農薬は大きく分けて2種類!

 

予防剤 と 病気の進行を食い止める剤 

の2つをうまく使って農家さんは農薬をまいているんですねー。

 

農薬はうまく使い分ける

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予防剤は文字通り、病気にならないようにするための薬です。

 

一方、病気の進行を食い止める剤は治療剤と呼んでいます。治療じゃないけど治療剤・・・紛らわしいですね。笑

 

それぞれの病原体(さっき書いた御三家のこと)は発生する時期や植物が異なります。

それに合わせて適切な時期に農薬をまきます。(=防除)

 

治療剤は予防剤にもなるんですけど、万が一病気にかかってすごい勢いで感染したとします。

そういう場合に散布すると食い止めることができるんですけど(絶対ではない)、結構お値段のする薬剤なので何回も散布することはできません。

 

だから予防が大事!

 

ちなみに!ウイルスによる病気というのは基本的に予防すらできません。

植物によってウイルス病ほどやっかいなものはないんだけど、どうしようもないのが現状です。

 

病気の植物は食べても大丈夫!

病気にかかった植物を食べても病気にならないの?と心配される方がいますが、

人間が植物とおなじ病気になることはありません!!!

安心してください。簡単に言ったら、違う生き物だしカラダの構造がそもそも違うからです。

世界の作物はほとんど病気で失われている

世界的な統計によると、世界中で生産された農作物の1/3(3分の1)は病害虫(病気と虫害)で失われているといわれています。

 

結構な量だと思いませんか?!

病害虫の防除は農薬だけでなく、農作物の植え方や土地、気候などさまざまな要因が関係しています。

 

ただ農薬まいとけばいいってものでもないんですよね。

だから難しいんですけど、まだまだ農作物の生産量は増やすことができるということです。

 

農薬と病気のきほんのきほんでした

どうでしたか?農業関係者からいったら常識なんですけど、意外とちゃんと考えたことってなかったのではないでしょうか。

 

常識すぎて誰もつっこんでくれないことってありますよね・・・笑

 

今日の記事を専門的にいうと「植物病理」や「植物保護」というんですが、わたしは大学生のときに人よりちょっと多く学んでました。

植物の病気ってもっと身近にあふれてるんだよってことはまたどこかで説明したいと思ってます。

 

今日覚えること

農薬は作物の予防接種!

 

チョー基本的なことをチョーわかりやすく説明したつもりなんですけど、わかんなかったら言ってください。

したっけね!

 

https://www.yucataan.com/2018/05/18/gmcrops-1/

https://www.yucataan.com/2018/06/20/agir-books/