読書

読んでいたらお腹が空く!?絶品の料理系小説を読もう【随時更新】

料理系小説

読書大好きゆかたん(@AgriBloger)です。

今日は読んでいたらお腹が空くような料理系の小説をご紹介します。

学生
学生
そんな文字だけで料理の話とか楽しめるんかいな。

 

とか思ってそうなひとのためにも、わたしは声を大にして叫びたい。

料理系の小説ほど心があったまるもんはないんやでー!!!!

 

料理をおいしそうに表現できる小説はおもしろい、という持論ができあがったほどです。

文字で浮かび上がる料理たちでお腹いっぱいになれるような小説を集めました。

 

みをつくし料理帖 / 高田郁

料理系の金字塔に君臨する連続時代小説です。全10巻

江戸時代を舞台に、大阪から上京してきた主人公の澪(みお)が江戸との食の文化に戸惑いながらも料理人として奮闘する物語。

そして澪を囲むひとたちの熱い人情物語でもあります。

 

それぞれが重い過去を背負いながら今を生きる中で料理が寄り添う。「食べることは生きること」を教えてくれた小説です。

気づいたら個性豊かなキャラクターたちに感情移入していて、最後の方は涙が止まりません。

お味噌汁を飲んだときのような、あったかいものが胸にじわっと広がる大作です。

 

料理のテーマ

江戸時代の江戸と大阪の和食

澪は季節の旬のものをいつも使って、江戸っ子がうなる料理を生み出しつづけます。

 

現代では食の文化が変わりつつありますが、江戸時代では料理で季節の移ろいがわかるくらい、食べることが生活の中心になっていたことに気づきました。

そして大阪と江戸では同じ国でもこんなに食の文化がちがうものなのかと驚きます。

 

なんといっても、澪の作る料理は本当に丁寧なんですよね。下ごしらえから丁寧に説明されています。

料理の描写が細かくておいしそうで、ついついよだれが出そうになるくらい。

 

丁寧で一手間かけた料理はひとを幸せにする。適当な調理は適当な料理にしかならないことを学びました。

巻末に出てきた料理の実際のレシピが掲載されているのでわたしたちも作ることができますよ。

ふだん料理しないわたしが、料理がしたくなるような小説です。

 

2018年特別巻が刊行されました!その後の物語を集めたものです!おもしろかったー!

 

真夜中のパン屋さん / 大沼紀子

わたしのもっとも好きなご飯系小説はこれ!全6巻

営業時間が23:00〜5:00という深夜にしか開かないパン屋を舞台にしたミステリー小説。

オーナーの暮林が亡き妻、美和子の想いを引き継いで開いた深夜にしか開かない「ブランジェリークレバヤシ」。

その店に美和子の腹違いの妹だと名乗って現れたひとりの女子高生「希」が主人公です。

 

テーマはミステリーですが、希の過去に迫る話も同時に描かれています。

結構シリアスな内容ですけど読みやすいです。

 

そして、この小説も出てくる登場人物もユニークでおもしろい。

のんびりで不器用な暮林さんとイケメンだけど口が悪いブランジェの弘基、ぶっきらぼうで社会を恨んだような希の3人が織りなす世界観にあったまります。

そのほかの人物たちも、簡単に言えばみんな普通ではない過去をもったアウトローな人間たちなんですけど、その人たちがだんだんとパンを通じて仲良くなっていくのがほほえましいです。

 

パンがおいしそう

この小説に出てくるパンは一度食べたらみんなリピーターになるほど絶品なんですが、本当においしそうなんですよね・・・

フツーーにお腹減る。わたしこの小説読んだら絶対パン屋行きますもん。

パンの見た目、匂い、味、食感、言葉だけなのに五感をフルにゆさぶってきます。この小説よりおいしそうにパンを描ける作品を知らない。

 

パンは平等な食べものなんだもの。

道端でも公園でも、どこでだって食べられる。囲むべき食卓がなくても、誰が隣にいなくても、平気でかじりつける。(美和子)

- まあ、そらそうやけど。こうしてふたりで食べたって、同じくらいうまいやろ?(略)一緒に食っても、うまいパンはうまいままやろ?(暮林)

真夜中のパン屋さん午前4時の共犯者 より

「パンは平等な食べもの」だと言い切ったこの美和子の言葉がすごく好きなんですよね。

でもそのあとに続いた暮林の言葉に、そんなことには気づかなかったと美和子は泣くのですが、パンってそういう食べものだったことにわたしも今まで気づかなかった。

 

ひとりで食べても美味しいのがパンだけど、誰かと食べてもおいしいままだから、それなら誰かと一緒に食べたいなって思ったんです。

ひとりでいることに強がっていたのかもしれないと気づいたというか。パンはやっぱり自分の味方だと思えたというか。

うまく言えないけど・・・本当におもしろい小説なのでぜひ!

 

ブランジェリークレバヤシ的なパン屋を見つけた記事はこちら▼

夜営業のパン屋「夜のしげぱん」に行ってみた!パンや味は?【レビュー】もっぱらパン党のゆかたん(@AgriBloger)です。 しごとで夜遅くなってしまった日、すすきのでの飲み会のあと。 ...

 

食堂かたつむり / 小川糸

ある日インド人の恋人に裏切られた主人公の倫子(りんこ)はショックから声を失ってしまい、地元へ戻ります。

そこで1日1組限定の食堂を開くのですが、その食堂を訪れた人たちは次々と奇跡が起こり、願いが叶うと言われるように。

ところが子供の頃から嫌いだった母の余命が半年とわかり・・・という内容です。

 

倫子がつくる手の込んだ料理はきっと誰もがほっとあたたかくなるはず。

料理の描写が丁寧で好きです。

なにかを「食べる」ことは誰かの命を「いただく」こと。そしてその命はつながっていくことに改めて気づかされます。

もっと丁寧に生きたい、そう感じさせてくれる一冊です。

 

小川糸さんの独特な言い回しでほんわかした雰囲気をまとった本ですが、大人のドロドロした部分もあり、後半の倫子と母の怒涛の展開に涙が出ます。

 

ということで、料理系の絶品小説たちでした。

またオススメ作品を見つけたら追記しようと思います!では!